ここでは、自転車に安全・快適に乗るための「走行テクニックの基本」、「フラット」、「コーナリング」、「ヒルクライム」、「ダウンヒル」、「オフロード」、「ナイトラン」、「レイン」の8つについてご紹介します。
まずは基本的な走行テクニックです。
最初に確実に覚えて身につけておきましょう。
ペダルと足の位置
■ 正しい足の位置
足の親指の付け根をペダルの中心に乗せるようにすれば、足の回転する力を効率的にペダルに伝えることができます。また足の疲れを最小限におさえることもできます。
■ 間違った足の位置
足の位置が前過ぎると足の力が効率的にペダルに伝わらないため、長い時間を継続して走るサイクリングでは、疲れの原因になってしまいます。
発進と停止の方法
■ 走り出し方
1
サドルから降りて自転車 (フレーム) にまたがり、利き足側のペダルを踏み込みやすい位置にセットします。
2
利き足をペダルにのせ、前方に体重をかけながら踏み出します。
3
サドルから降りて自走り始めたらすぐ腰を浮かし、サドルに腰掛けて走り始めます。
止まり方
止まるときは走り出すときの逆の要領で、利き足に体重をかけサドルから腰を浮かし止まりながら前方に降り、自転車にまたがったまま、片足をついて止まります。
前傾のとりすぎは前方の視界も狭くなり、とっさの判断ができないこともありますから無闇な前傾姿勢は禁物です。
必ず前後両方のブレーキを使い、リヤとフロントのブレーキのかけ方の強さは6対4の割合で、体重は後方に移動させると安定したブレーキがかけられます。
ブレーキ時、フロントだけかけたり、体重 を前方に移動させていると前に転倒することがありますから、絶対にしないようにしましょう
フラットハンドルの場合はグリップするところは一カ所ですが、ドロップハンドルの場合は、通常は上部、向かい風やスピードを上げる場合はブレーキレバーのグリップ部、下部と使い分けます。
拇指球がペダルの中心に乗るようにすると、効率よくペダリングできます。また、こぐときに太腿がフレームの上パイプと平行になるように回転させると足の力が無駄になりません。
足に負担がかからない適度な軽いギヤ比(足が空回りしない程度)を選べば、疲労を防げます。
回転数の上がらないような重たいギヤ比で走ると疲労を増してしまいます
リーンウィズ(自転車と体の傾きをそろえる)、リーンイン(自転車の傾きよりも、さらに体を傾ける)、リーンアウト(自転車の傾きに対し、体を起こす)と 3種類の姿勢があります。一般的には、自転車と身体が垂直になったまま(リーンウィズ)コーナーを曲がる方が安全です。
コーナーに入る前に十分にスピードを落とし、自転車をコントロールできる安全速度で曲がります。
スピードを落とさないままコーナーに突入すると、曲がりきれずに反対車線に飛び出し重大事故に直結しますから、絶対に避けましょう
曲がる方向への体重移動に合わせて自然に描かれるカーブにそってハンドル操作をします。
コーナリング中、急にハンドルを切ったりするとスリップや転倒につながります
曲がる側のペダルを必ず上支点にして回転を止め、コーナーを通過してからペダリングを続行します。
コーナリング中のペダリングや曲がる側のペダルを下げた状態にしておくと、バンク角度によっては地面に接触して転倒につながります
前傾姿勢を保ちながら、上半身の力も有効に使います。
勾配のキツさによって上部、ブレーキレバーのグリップ部、下部と使い分けることによって、走行が安定します。 フラットハンドルの場合は、腕をお腹側に引き寄せるように力を入れると、比較的楽に登れます。
上半身の引き付ける力と下半身の踏み込む力を有効に使ってペダリングします。 急勾配の場合は、サドルから立ち上がり全体重をペダリングに集中させることも有効です。
登りにかかる前に勾配の度合を予測して、適当な軽いギヤ比に落としておきます。 登坂中にさらに勾配が増してギヤチェンジが必要な場合は、すこしでも回転の上げられるタイミングを見計らって行ないます。
登坂中はペダルの回転が極端に落ちてスムーズなギアチェンジができなくなり、転倒などの事故につながります
足に負担がかからない適度な軽いギヤ比(足が空回りしない程度)を選べば、疲労を防げます。
回転数の上がらないような重たいギヤ比で走ると疲労を増してしまいます
サドルから腰を浮かして体重を後方に移動させておくと、とっさの動きにも即対応できます。
リヤ、フロント6対4の割合でスピードが上がりすぎないように、何回にも分けてこまめにかけるのが基本です。
フロントだけのブレーキ、急ブレーキ、タイヤのロックなどは即、転倒に直結します
また、長い下りでブレーキをかけたままにしておくと、リムが過熱したり、ブレーキが効きにくくなることもあります
レバーのグリップ部分か下部を握りますが、どちらの場合でもブレーキレバーに指をかけ、いつでもブレーキがかけられる体勢をとります。
ペダルを水平位置にして静止させ、ひざをバネ代わりに腰をサドルから浮かしぎみにしておけば、体重移動もしやすくバランスがとりやすくなります。
ペダルから足を離すとバランスがとりにくくなり 転倒につながります
下り坂では高めのギヤ比にしておくとペダルの空回転を防止でき、安全に走行できます。
低いギヤ比にしておくと、ペダルを空回転してバランスを崩す原因になります
足つき性を良くするためにサドルは低めにセッティングします。刻々と変化する前方の路面状態を事前に読み取るために、上体を起こし、 腰をサドルから浮かしぎみにすればバランスがとりやすく、路面からの衝撃も直接身体に受けずにすみます。
石、砂、泥など摩擦抵抗の少ない路面の連続ですから、ブレーキはリヤ、フロント6対4の割合でロックやスリップさせないように軽いタッチでかけ、 スピードがですぎないようにコントロールします。
強くかけすぎはスリップや転倒に直結します
路面の凹凸からの衝撃は、想像以上にハンドルにダイレクトに伝わりますから、軽くグリップし、ハンドルにある程度の自由を与えることによって、 自転車の持つ直進安定性が発揮されてスムーズに走ることができます。
グリップする手の力が強すぎると、かえってハンドル操作の自由が奪われ、疲労が増したり転倒につながります
ペダルの回転数を速くすれば、バランスがとりやすく走りやすくなります。同時に不用意な転倒も防げます。
ギヤ比は低めに設定し、軽い踏み込みができるようにします。
高いギヤ比では踏み込みが重くなり、凹凸など障害物を乗り越えることができません
夜間はスピード感や距離感が 昼間より狂いやすいうえ、視力も落ち込みますから、スピードも昼間より20〜30%ダウンして周囲への注意力も 高めるようにします。
ブレーキレバーに指をかけて、いつでもブレーキがかけられるようにこころがけます。
路面も暗く障害物の確認もしにくいため、軽くグリップしてハンドルの自由を確保しておくと安全に走れます。
ダイナモランプは明るさでは有利ですが、最近では充電式の強力なバッテリーライトもあり、サイクリングに適しています。
スポークやペダル、足など動く場所に反射鏡をつけると目立って効果的です。また強力な発光をするLEDタイプのものが視認性が高く安全です。(足が空回りしない程度)を選べば、疲労を防げます。
濡れた路面での制動距離は、晴れた日の2倍になることを考えて、スピードを控えめにタイヤをロックさせないように数回に分けて ブレーキをかけるようにしましょう。
タイヤと路面の間に水の膜ができるため、タイヤのグリップ力が大幅に低下します。とくにコーナーでは横滑りを起こしやすいですから、 スピードを充分に落とすようにしましょう。